これ

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おすすめのアニメの話

メリークリスマス

 

 

無邪気に新雪を踏む子供のようなノリでQUaverのアドベントカレンダー12月1日にエントリーしたんですが(アドベントカレンダーが始まったのは12月の中頃)、やっぱり記事書かなきゃダメですよね。

 

ところで最近Innocent Walls(H)をEX HARDしました。正規です。

あの壁を繋いでアウトロをクールに捌く私はbeatmaniaそのものだったと思います。満足。

 

はい。音楽ゲームの話でした。

 

ところで最近までゾンビランドサガってアニメの1期が放送されていましたが、かなり凄かったです。

ゾンビを題材にしたアイドルアニメを作るなんて常軌を逸した発想の下で全くブレずにテーマを貫いたまま最終話まで駆け抜けて、次第に多くの視聴者の心を掴んでいったその過程は熱いものがありました。(リアルタイムの良さってこういうところだよね。)

しかし私にはゾンビランドサガの革新的でありながら王道を突き進むその姿にとある過去の幻影がちらつきまして…

 

 

 

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 (ゾガ人気に乗じて多少強引でもいいから誘導してやろう、ふへへ)

というのはまあ冗談なのですがこのファンタジスタドール、ここ最近の流行を見ると、もし世に出る時期が遅ければもう少し盛り上がっていたんじゃないかなとは思ったりします。

 

 

前々から色々な人にこのアニメを勧めてきてはいたのですが、「わかりませんでした。」「なにこれ。」「変なアニメ。」という感想ばかりが聞こえてどうも手応えがありません。(確かにアレは変なアニメだしどう考えてもそこを考慮せず丸投げした私が悪かった。)

そこで、後からこのアニメを観る人のために、私がどのようにしてこの奇妙なアニメにハマったのか、その道標を残しておこうという訳です。

ぜひこれを読みながらファンタジスタドールを楽しんで行ってください。

 

 

まず、「ファンタジスタドールって何?知らないよそんなの。」という方のためのあらすじです。

 

鵜野うずめは勉強も運動もそこそこのごく平凡な中学2年生。だがある日、彼女の運命は大きく変わってしまう。特殊な能力を持つ女の子・ファンタジスタドールを実体化できる不思議なカードを手に入れてしまったのだ。

うずめはカードマスターとなり、5人の個性的なドールたちと契約。街を、いや世界を救うための戦いを始める……“どうしよう、私には無理”とあわてるけれども、うずめはもはや逃れられない。

さまざまな武器やコスチューム、特殊イベントのカードを組み合わせて戦っていかねばならない。しかもドールたちは、次々と、可愛い要求をつきつけてくる。うずめは世界を守れるのか!? いや自分自身を守れるのか!? 

(公式サイトより引用)

 

よくわかりませんね。

 

「ファンタジスタドール」PV - YouTube

PVも併せて観ると雰囲気がつかみやすいですね

 

そんな感じです。

 

ファンタジスタドールはライト層をターゲットにして制作されたそうですが、蓋を開けてみるとそれこそいわゆるオタクみたいな人達がカオスなギャグアニメの類として楽しんでいたようです。

例えばうずめちゃんの下半身が戦車になって素手で敵に立ち向かうシーンは有名ですね。

 

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下半身を強化して

 

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 両手でドーン!

 

まあそんな感じです。勢いです、勢い。勢いが大事。ファンタジスタドール

 

 あとこれは私のお気に入りシーンの一つなのですが

 

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初対面の少女に誘われて

 

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ついて行った先のドールのお店で

 

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彼女はまっすぐにガラスケースに入り人形のふりをして動かなくなってしまいます。

変態ですね。

 

 

この変質者を当然のように受け入れている男性店員の存在感も相まって静かに狂気が滲み出ている名シーンです。

 

 

こんな風にアニメではツッコミどころ満載の映像が絶え間なく流れ続けます。そして世界は誰一人としてそれらを気に留めず流していくのでそのツッコミは視聴者の役割になります。

 

 

そんな感じで画面に向かってツッコミを入れながら観ましょう、細かいことはまだ気にしなくても大丈夫。

 

 

それに満足したら次に進みましょう。

 

 

 

 

このアニメの放送時期にメディアミックスの一環として『ファンタジスタドール イヴ』という小説が出版されました。

 

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「それは、乳房であった」男の独白は、その一文から始まった―ミロのヴィーナスと衝撃的な出会いをはたした幼少期、背徳的な愉しみに翻弄され、取り返しようのない過ちを犯した少年期、サイエンスにのめりこみ、運命の友に導かれた青年期。性状に従った末に人と離別までした男を、それでもある婦人は懐かしんで語るのだ。「この人は、女性がそんなに好きではなかったんです」と。アニメ『ファンタジスタドール』前日譚

(あらすじより)

 

ファンタジスタドール イヴ』は元祖アンドロイドSF小説未来のイヴ』と太宰治の『人間失格』のオマージュで、これ単体でも面白い上に(この2冊も読んでみるとファンタジスタドールがもっと面白くなるよ)この異質な小説がファンタジスタドールの根幹を成す設定を補完していて、作品にSFとしての視点を加える役割を果たしています。

 

世界考証を担当したスタッフ曰くクラークの第三法則の再現が作品の裏のテーマだったらしく、この2層構造が上手く機能して見事に成功しているのではないかと思います。

 

 

そんな感じで今度は本についてる年表を眺めたりしてあれこれ考えながらアニメを観てましょう。

 

 

観ましたね?

 

つまりはそういうことです。

 

 

それじゃあ次に行きましょう。

 

 

あなたはそろそろファンタジスタドールに何かの可能性を感じて関連書籍を一通り掻き集め読み漁り、このコンテンツにかけられたオタクじみた情熱が伝わっている頃だと思います。

 

コンプリートブックなんてめちゃくちゃ面白いですよね。

ここでしか語られない設定も多くて満足度の高い一冊ですよね。私はEDの映像の話が結構好きですね、あの話を読んでからEDを見るたびに素直に感心してしまいます。

 

まだ読んでない?読むといいよ、面白いから。

 


他にはめきめき先生の描いたコミックス版がお気に入りです。

アニメでは語られなかった小町さんの過去に触れたりや別の結末が与えられたりすることで可能性がだいぶ広がりますね。あと絵が可愛い。そして百合。

 

まだ読んでない?読むといいよ、面白いから。

 

 

(以下略)

 

 

大体読み終わりましたか?

公式からの供給は概ねこれで終わりです、お疲れ様でした。

 

 

 

ファンタジスタドールにハマらなかった皆様へ。

 

 

まあこちらの方が多数派です。君は悪くない。ファンタジスタドールは変なアニメだから。同じアニメを観続けておかしくなっちゃったかわいそうな人のことは忘れて美味しいもの食べて毎朝ランニングして本でも読もう。健康は大事。

 

 

 

そうでない皆様へ

 

あなたはもうとっくに沼の中です、おめでとうございます、楽しいですよね、ファンタジスタドール

きっとあなたはアニメのワンシーンがいちいち気になってしまいコマ送りで再生したり、停止してしばらくあれこれ考えてしまうようになっているでしょう(アニメってのは動きを観るものですよ)。コンテンツの外部からもアプローチを図ろうと知識を蓄えようとしたりしていることでしょう。その中で何かを掴もうとすればする程に別の何かが浮かび上がっては消えてを繰り返すはずです。

 

 

さらにその先の景色が見たい人は頑張ってください、そしていつかそこで見たものを私にこっそりと教えてくれると嬉しいです。

 

では私はアイドルのプロデュースで忙しいのでここまでにしておきます。さよなら。

 

 

 

 

 

あとがきのようなもの

 

今回この記事を書くにあたって、皆様にはコンテンツに主体性を持って触れて得た経験のなかで独自の理論体系が有機的に組み立てられたり解体されたりする様子を楽しんでもらおうという狙いがあり、本編の内容に関する私個人の考察を一切持ち込まないように意識しました。(何度もそのような内容を書いては消してを繰り返しているので文章の裏で無意識のうちにそういったものは現れているのかもしれませんが。)

 

これを読んだ皆様には「ウケる🤣」という一言とともに記事を共有していただけたら幸いです。

 

最後に一言。

ゾンビランドサガよ、永遠なれ。

 

終わり